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日本で初めてのガスを使用したフェライト焼結炉~№3~
2024/5/9
ノリタケはノリタケチャイナと云って、
世界でも有名な陶器(お茶碗、お皿、または美術品等)作っているメーカーですが、
フェライトマグネットも同じ陶磁器ですので、
それを焼成するローラーハウスガス炉を使用できないか、考えました。
それで、磁石のプレス上がり品を数個持って行って、
焼成テストをして貰いました。
トラックで送ると製品が割れたり、欠けたりするので、
新幹線を使用して持ち運びしました。
非常に良い結果が出たので早速、見積り、検討をお願いしました。
但し工場には新しく炉を設置する場所がありませんので、
当時、使用している3台の電気炉を無くして、
その後に置くしかありません。
もし、ガス炉が失敗すれば工場の生産が止まってしまいますので、
一週間の間、交代で夜も出勤して、やっと炉を稼働させました。
ガス炉は電気炉と比べると光熱費1/3、
作業員2名×2交代(4名)でやっていたのを2名で
出来るようになりました。
その他、消耗品も熱電材で年間100万円必要であったのが0円になり
ローラーの折れも年間4~5本で、1万円ほどで済みます。
ただその当時の生産量に併せて炉の能力を作ったため
焼結能力が大き過ぎて、
1ヵ月に10日動かせば良いので
炉のレンガに悪い影響が出るので心配です。
その後、マグネットの生産を続けて行くと色々問題もあり、
その当時、フェライトマグネットの製造技術では一歩進んでいる
東北金属工業(トーキン)から製造技術の導入を企り
資本金の30%の株を持ってもらいました。
その時、東北金属より異方性乾式フェライトマグネットの技術を指導してもらい
電電公社の600型電話器に使用する磁石(1台2個)を
全面的に当社で生産するようになりました。
約10年くらい、この磁石を中心に生産をしていましたが、
技術的な進歩でこのマグネットを使用しなくなり、注文が0になりました。
丁度、テレビのブラウン管用のマグネット(1台20個使用)を受注し
工場は忙しくなりました。
そしてコスト的な問題で、海外(中国)で作れないか検討を始めました。
何度も中国の下請工場を探しに行きました。
その当時、ネオジウムマグネットが中国で生産される様になりました。
当社もこれに目をつけて、日本への輸入販売を始めました。
しかし、その時代のネオジウムはメッキが悪く、
すぐサビたり、減磁したりして、よくクレームが発生しておりました。
現在は売上の半分がネオジムになり、
また品質も非常に向上してサビたりしなくなりました。