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最近考えること
2024/7/25
私も今年9月になったら、87才になります。
幸いなことに体調は、
少しずつ、あちこちにガタが来ていますが
まだまだ元気です(私の年の人と比較して…)
そして今年は、1964年11月に当社を創業してから60年になります。
大学を卒業してから、約4年間、丸紅(株)と云う
大きな貿易商社に勤めていましたが、
父が姫路に帰って欲しいと云うことで
家に帰って、父親の仕事の手助けをしながら、
何か新しい分野の仕事をしたいと考えておりました。
その時、友達が海外から輸入していた、
マグネットキャッチ(建築金物)を見て
それに使用されている磁石を作れないかと思いました。
丁度、1960年くらいから、日本でも少し作り始めていたのですが
製造特許はオランダのフィリップ社と云う大会社が持っていました。
私は東京の製造メーカーに工場見学に行き、
その時に知り合った磁石の現場の班長を引っ張って
姫路で製造する用意をしました。
特許は、日本のフィリップ社と交渉して製造特許をもらいました。
そして、10月3日に結婚して新婚旅行に行って帰ったら
機械の入荷、工場建設中で毎日遅くまで仕事をしました。
1964年11月15日に工場の稼働の電気スイッチを入れました。
その時出来た磁石はもうありませんが
今から思うと品質の厳しい今では不良品であったと思います。
始めは得意先もなく、大阪で磁石を使った製品を作っている会社に
売り込みに行きました。
その後、磁石の用途もどんどん開発され
少しずつ会社の状態になって来ましたが、
コストを下げる為、中国に進出することを計画しました。
そして中国に行きどこかの下請けをしてくれる会社を探し回りました。
丁度、寧波に工場を見つけ、1990年代になって
姫路電子の生産の70%以上を中国に移換しました。
また、ネオジウム磁石が中国で生産され始めたので
これを日本に輸入することにしました。
始めはすぐに壊れたり、メッキが剥げて錆びてしまったりして
不良品でクレームばっかりでした。
その当時はネオジムが知られていない時代であったため
空港でスーツケースに20~30Kgのネオジムを入れて
申請してもって帰っていました。
その後、日本のネオジメーカの技術屋に2~3週間、
中国に行ってもらって技術を指導してもらい、
品質も良くなりました。
しかし、現在では中国がネオジムの生産の70%を占め、
たくさんのネオジムメーカが出来たので競争が厳しくなり、
今回の東京の見本市でも多くの中国メーカが出展しています。
姫路電子の売上の約50%はネオジウム関係ですので、
中国のメーカが日本で直接販売されると
我社の売上に大きく影響を与えるので非常に心配しています。